日本地震学会のシンポジウムが10月15日に静岡大学で開催された。
中日新聞は、関係者の発言を伝えている。その中から、納得のいく(=常日頃からそう思っていた)発言を抜粋したい。
「地震学がこれまで何も言わず、危険が蓄積していった」
「研究成果を出し、あとは知らんという態度で良いのか」
「研究成果がどの使われているかに関心を持つべきで、使われ方がおかしければチェックする意識が必要」
10月2日の記事「M9.0「3連動」津波…、-10月2日の中日新聞から」の冒頭で、専門家と国のやり方に納得できない不満をチラッと書いたが、この記事を読んで、思わず「そのとおり!」と叫びたい気持ちになった。今後の中央防災会議の検討、愛知県東海地震・東南海地震・南海地震等被害予測調査の動向に注目したい。
2011 年 10 月 23 日( 日 )9 時 00 分 |
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愛知県防災局は10月12日、「愛知県東海地震・東南海地震・南海地震等被害予測調査」の事業委託の概要を公開した。
愛知県ウェブサイトに掲載された資料によると、平成23年度から平成25年度までに年度ごとに各種の調査をして報告書を提出することになっており、被害予測がまとまるのは平成24年度、対策がまとまるのは平成25年度の予定になっている。
予測内容は、津波、地震動、建物被害、火災被害、人的被害、ライフライン被害、交通施設被害、危険性物質被害、生活等支障、避難者被害、経済被害、その他被害と多岐に渡り、地震動予測は従来の500mメッシュから250mメッシュへ変更し、津波予測は10mメッシュで調査するとのことだ。精度アップが期待できそうだ。
調査結果は「愛知県地域防災計画」「あいち地震対策アクションプラン」に反映される。また、市町村地域防災計画の修正にも役立てられることとなる。
中央防災会議の2つの専門調査会「東北地方太平洋沖地震を教訓とした地震・津波対策に関する専門調査会」「防災対策推進検討会議」の報告および各種計画等の修正の動向とあわせて、確認していきたい。
それにしても、市町村の地域防災計画への反映が平成25年度になるのは、遅すぎないか。西尾市は第7次総合計画の策定作業を進めており、今月中にも協働まちづくりプランナーの会議が始まる。ここでの議論の材料とすることができればとの思いがあったが、間に合わないようだ。総合計画本体ではなく、実施計画に反映していくことになりそうだ。
2011 年 10 月 23 日( 日 )3 時 00 分 |
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名古屋大学大学院の川崎准教授の研究結果が掲載されました。まずは、この時期に誰もが考えたくないM9.0の想定でシミュレーションを実施して公開したことに敬意を表したいと思います。
中央防災会議の専門調査会でさえ、「対策できない想定、被害予想は無視」して「減災」などと言い訳をしている情けない状況で、批判を恐れず公開に踏み切るのは、勇気がいることだったろうと思います。
地元の自主防災会向けの啓発では、これまでは、素人判断なので…と前置きしながら、東日本大震災の津波被害と比べて、3連動地震の被害を漠然とイメージしていました。仙台市南部から名取市、岩沼市、亘理町にかけての広大な平地を内陸4~5kmまで津波が押し寄せたことを引き合いに出して、もし、同じような津波が来たとしたら海岸から内陸へ4~5kmの範囲はここらあたりまでだから、あなたの地域は水没…といった調子です。
まったく根拠のない条件設定ですが、イメージを持ってもらうためには、乱暴であったとしても過大評価をした被害想定をして、備えを促す必要があると思ってやっていました。早く専門家の予想が出て、それを基にした話をすれば、もっと説得力が増すのに…と、今か今かと待ちわびていました。
中日新聞に掲載された色分け地図によると、私が住んでいる西三河南部は、オレンジ色で、最大浸水深5~6mと絶望的な結果が出ています。「やっぱりねぇ」というのが第一印象で、はっきりと引導を渡された気がしました。
上記のような根拠のない素人の話よりも、説得力のある啓発ができると思い、ほっとしました。自分が住む地域の悲惨な予想を突きつけられて喜ぶのも変な話ですが、半年のモヤモヤが取れてすっきりしたのは事実です。
残念ながら、色分け地図はこまか過ぎて、また、道路や鉄道、官公署などが記載されていないので、自分の町内は…といったレベルの判断は困難です。大雑把な判断をするために、地図サイトの画像キャプチャを透過表示させて重ねてみました。
この予想結果では、西尾市南部は壊滅的で、矢作古川の両岸に広がる低地にある西尾市役所、警察署、消防署、保健所、名鉄西尾駅あたりの中心街は浸水深2~3mとなっており、行政機能は失われることが想像できます。
この結果を見て覚悟を決め、自主防災活動に火がつくことを期待したいと思います。というか火をつけて回ります。備えたものだけが救われる。この地に「津波てんでんこ」を真剣に普及させねば。
2011 年 10 月 2 日( 日 )23 時 59 分 |
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