「防災対策推進検討会議」新しい中央防災会議の専門調査会

 中央防災会議は10月11日、新しい専門調査会「防災対策推進検討会議」を設置した。

 内閣府のウェブサイトに掲載された資料によると、東日本大震災の教訓を今後の対策に反映するための検討・具体化をするようだ。先日、報告が完了した専門調査会「東北地方太平洋沖地震を教訓とした地震・津波対策に関する専門調査会」は、提言をするまでで、その後の、具体化は別の場で検討することになっていたのだから、たぶん、この新しい専門調査会が担うことになるのだろう。

 鉄やコンクリを使いまくる建築土木業界へのばらまきにならないよう、お願いしたい。ハード対策の限界、予算の限界から「減災」を言い始めたはずだから。ただし、津波避難ビルや津波タワーは致し方ないと思う。5分で逃げ切れない地域は無数にある。

 検討会の最終報告は平成24年夏の予定となっているが、もっと早くならないだろうか?災害対策基本法レベルの法律をいじくりまわすとなれば、やはり整合性や他への影響を考慮する必要から時間がかかってしまうのだろうか?9月の防災月間に各地で訓練が多数実施されるだろうから、それらに織り込めるよう、検討具体化の方向が見えてくるだけでもうれしいが。

 とりあえず、今すぐ自分でできることは、「東北地方太平洋沖地震を教訓とした地震・津波対策に関する専門調査会」の最終報告をよく読んで、専門家が今回の大震災の被害や教訓をどのようにまとめたのか、しっかり理解すること。9月28日の記事「東北地方太平洋沖地震を教訓とした地震・津波対策に関する専門調査会報告査読1」以来、査読が進んでいない。

 10月20日の記事「愛知県立一色高等学校「秋の防災学習」で防災講話をしました。」で紹介した防災講話の中で、報告書内容の一部を紹介したが、まだまだ「つまみ食い」レベルの理解度。この先、自主防災会の訓練時に講話をする予定があり、次はもっとしっかり理解してたうえで、質問されても困らないようにしておきたい。

東日本大震災被災地復興支援活動報告会

 あいち防災リーダー会西三河ブロックが、岡崎市南部地域交流センター「よりなん」で10月8日、東日本大震災被災地復興支援活動報告会を開催しました。私も運営スタッフ、講師として参加しました。

 詳細は、あいち防災リーダー会西三河ブロックのブログに活動報告記事が掲載されるのを期待するとして、ここでは、個人の感想を書き留めておきたいと思います。あくまで、一個人の視点で書いています。団体の公式見解ではありませんので、お間違えなきよう。

■植村さん

 バイクボランティアBi-Voのメンバーとして活動した内容を報告してくれました。「できることを自立自律して、かつ、ネットワーク体制を」というポリシーが、ボランティアの原点を再確認させられる。バイクの機動性、彼の特攻魂に感服。今後も、組織維持・体制・面子にこだわる腐ったNPOやボランティア団体に喝を入れていただきたい。

 あいち防災リーダー会西三河ブロックの旗振りを考える立場としては、耳が痛い部分も多々。

 自主防災会への教訓としては、「初動三日を自分たちでなんとかする」ためには、スピード、決断力、機動力、自律という点で見習うべきところがある。一人のボランティアと地域組織という違いがあるので、鵜呑みにはできないが。

■栗木さん

 アレルギー支援ネットワークのキーパーソンとして、東北事務所を拠点に被災地を駆け回っている経験を報告してくれました。アレルギー支援ネットワークの活動状況は、東日本大震災アレルギーっ子支援ブログにて紹介されていて、自分も係わっているので、少しはわかったつもりになっていた。ネット上ではとても紹介できないような現地の生々しい話を聞いて、あらためて、アレルギー対応が不足していることを実感した。特に、当事者(アレルギーの専門家や患者とその家族)だけでなく、一般への認知活動が不足していることを思い知らされた。

 患者の会を各地に作ってネットワーク化し、相互支援をできる体制を構築する重要性を強調され、西三河がネットワークの穴になっていることを指摘されて、耳の痛い思いをした。

 災害時要援護者支援の一分野として、もっと啓発に力を入れる必要がある。あいち防災リーダー会西三河ブロックと各地の患者の会との連携強化を考えていきたい。

■都築さん

 西尾市社会福祉協議会の一員として、現地の災害ボランティアセンターでスタッフ業務をした経験を報告してくれました。社協ネットワーク、災害ボラセン対応人材の不足、ボラセン運用訓練の不足を感じました。こればかりは、外部の人間がとやかく言えない部分なので、ただただ「頑張ってください!」とエールを送るのみ。

 平成18年7月豪雨で長野県岡谷市災害ボラセン湊サテライトを立ち上げたときは、社協ネットワークのつながりで、宮城県から来てくれた方がいたので、気合が入ったすごい人がいるもんだと感心していたのだが、あのときのネットワークは生かせたのか、あの経験を生かせたかと思うと無念で仕方がない。

 自主防災会への教訓としては、災害ボランティアをあてにしすぎていても駄目ということくらいか。福祉・介護系、用援護者支援に係わる活動の報告を期待したが、仕方がない。組織の一員としての役割分担を無視して好き勝手やるわけにはいかないし。

■中島さん

 知立市のボランティアバスで現地活動をした経験を報告してくれました。知立市を動かしてボランティアバスを送り出し、自らも現地へ何度も出かけて活動した行動力はすごい。地元自主防災組織でも活動を盛り上げるキーパーソンとして、自主防リーダーと災害ボランティアの両面で活躍されている。今回の報告会で、もっとも開催目的にマッチした講師でした。

 地元自主防の活動へどのように教訓を反映したのか、あるいはこれから反映していくのか、もっと時間を割いて追加インタビューをしてみたい。

愛知県防災局もついにつぶやき始めました.

 愛知県防災局もついにTwitterで防災関連の情報を発信し始めました。

 愛知県のウェブサイトの新着情報によると、Twitterで防災に関する情報の発信をしていくことになったようです。記者発表資料の再配信を予定していて、災害時は、愛知県から発表される災害関連情報を入手するのに便利になりそうです。平常時はウェブサイトでも情報を閲覧できるし、わざわざTwitterでということもないですが、日ごろから発信側も受信側も体制を整備して運用に慣れておくという点で、大切なことと思います。

 防災関連のTwitterといえば、総務省消防庁が先行して運用しています。これまではウェブサイトの新着情報のページやRSS購読で情報をチェックしていましたが、Twitterに変わってからは、世の中の変化に置き去りにされている気がして、あせりも感じていました。

 東日本大震災では、TwitterやFacebookが活躍して、発災時も有用なツールであることが認知されました。書店にはたくさんのノウハウ本が並んでいて、防災対策の一分野として情報ツールの使いこなしが必須となりつつあることを思い知らされます。

 中央防災会議の「東北地方太平洋沖地震を教訓とした地震・津波対策に関する専門調査会」報告でも、「津波情報等の情報伝達体制の充実・強化」が挙げられており、具体策としてTwitterの活用を明示しているわけではないものの、有用なものは取り入れていくだろうから、受信する側の市民も個人個人が対応していく必要があるだろうと思う。

 防災啓発をする立場でTwitterの導入を評価すると、やはり「デジタルデバイド」(ほとんど死語?)を感じて、やるせない気持ちになる。ITツールを使えない人たちが置き去りにされていくような気がしてならない。それでも、「減災」とやらの考え方からすれば、「すべてに行き渡らなくても、一部だけでも情報を届けられれば被害は減る」ということになるのだろう。

 防災啓発のネタとして、「災害用伝言ダイヤル171」だけ言っていればよい時代は終わったと思う。ITツールによる情報収集・伝達も考えていく必要がありそうだ。そのためには、まず自分が使いこなさないと。まずは、モチベーションアップのために、防災啓発・災害対応のボランティア仲間から活用事例を聞くことからはじめたい。

総務省消防庁 @FDMA_JAPAN
http://twitter.com/#!/FDMA_JAPAN

愛知県防災局 @aichi_bousai
http://twitter.com/#!/aichi_bousai

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