平成23年度西尾市総合防災訓練が10月9日、西尾市一色町地内で開催されました。昨年度に引き続き、食物アレルギー対応の炊き出し訓練がありました。
西尾市の総合防災訓練でアレルギー対応の炊き出し訓練を実施するようになったのは、昨年度の西野町小学校での訓練からで、今年度は2回目になります。NPO法人アレルギー支援ネットワークが中心になって、通常の炊き出しとの違い、注意点をレクチャしながら、炊き出し訓練の担当者と一緒に作ります。
昨年度は、アレルギー支援ネット、西尾市赤十字奉仕団、地元校区の自主防災会のみなさんが参加しました。しかも初めてということで、アレルギーの原因になる残留成分の検査キットを使用した調理器具の確認作業を事前に実施するなど、徹底した管理の下、炊き出し作業が進められました。
今年度は、さらに西尾市内にあるアレルギーっ子の親の会「アレっ子元気」のお母さん方も訓練に参加して、啓発に協力しました。また、自衛隊の炊飯車で豚汁を作るなど、新たな展開がありました。


参加された方にアレルギー対応の説明をするアレっ子元気、アレルギー支援ネットワークのメンバー
メニューは、特別なものではなく、どこでもよくやる「豚汁」です。ぱっと見では、普通の豚汁となんら変わりません。違いは、アレルギーの原因になる成分を含んだ材料を使わないこと。今回の豚汁では、出汁のもとになる合成調味料を使わないこと。成分表をよく見ると、アレルギーの方が食べてよいものかどうかの判断ができます。食物アレルギーじゃない人も食べられます。
使用した食材を明示すれば、アレルギー患者は食べられるかどうか自分で判断ができます。記載内容は正確性が求められます。記載漏れがあっては信用できなくなります。書き写すよりも袋や箱の成分表の部分を貼り付けるほうが確実。

使用した食材を掲示
調理の過程でもきちんと管理するために、アレルギー対応のものは「だしなし」のラベル表示をしていました。

調理用バットに「出汁なし」のラベル表示

調理中の自衛隊さん

2台ある炊飯車の片方に「だしなし」のラベル表示

普通の豚汁と変わらない

興味津々で中を覗きこむ親子
東日本大震災では、多くのアレルギー患者が食べるものがなくて苦労しました。せっかく備蓄していた40万食近いアレルギー対応アルファ化米を、アレルギー患者に優先して配布するなどの配慮なく、被災者に配布してしまったというのが、現実。行政の無知を責めるのは簡単ですが、それでは事態は改善されません。広く一般に認知してもらう活動が必要です。
防災訓練の中でアレルギー対応の炊き出しを繰り返すことで、一般市民への啓発になると思います。今後も各地で実施していただきたい訓練です。
2011 年 10 月 9 日( 日 )23 時 58 分 |
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あいち防災リーダー会西三河ブロックが、岡崎市南部地域交流センター「よりなん」で10月8日、東日本大震災被災地復興支援活動報告会を開催しました。私も運営スタッフ、講師として参加しました。
詳細は、あいち防災リーダー会西三河ブロックのブログに活動報告記事が掲載されるのを期待するとして、ここでは、個人の感想を書き留めておきたいと思います。あくまで、一個人の視点で書いています。団体の公式見解ではありませんので、お間違えなきよう。
■植村さん
バイクボランティアBi-Voのメンバーとして活動した内容を報告してくれました。「できることを自立自律して、かつ、ネットワーク体制を」というポリシーが、ボランティアの原点を再確認させられる。バイクの機動性、彼の特攻魂に感服。今後も、組織維持・体制・面子にこだわる腐ったNPOやボランティア団体に喝を入れていただきたい。
あいち防災リーダー会西三河ブロックの旗振りを考える立場としては、耳が痛い部分も多々。
自主防災会への教訓としては、「初動三日を自分たちでなんとかする」ためには、スピード、決断力、機動力、自律という点で見習うべきところがある。一人のボランティアと地域組織という違いがあるので、鵜呑みにはできないが。
■栗木さん
アレルギー支援ネットワークのキーパーソンとして、東北事務所を拠点に被災地を駆け回っている経験を報告してくれました。アレルギー支援ネットワークの活動状況は、東日本大震災アレルギーっ子支援ブログにて紹介されていて、自分も係わっているので、少しはわかったつもりになっていた。ネット上ではとても紹介できないような現地の生々しい話を聞いて、あらためて、アレルギー対応が不足していることを実感した。特に、当事者(アレルギーの専門家や患者とその家族)だけでなく、一般への認知活動が不足していることを思い知らされた。
患者の会を各地に作ってネットワーク化し、相互支援をできる体制を構築する重要性を強調され、西三河がネットワークの穴になっていることを指摘されて、耳の痛い思いをした。
災害時要援護者支援の一分野として、もっと啓発に力を入れる必要がある。あいち防災リーダー会西三河ブロックと各地の患者の会との連携強化を考えていきたい。
■都築さん
西尾市社会福祉協議会の一員として、現地の災害ボランティアセンターでスタッフ業務をした経験を報告してくれました。社協ネットワーク、災害ボラセン対応人材の不足、ボラセン運用訓練の不足を感じました。こればかりは、外部の人間がとやかく言えない部分なので、ただただ「頑張ってください!」とエールを送るのみ。
平成18年7月豪雨で長野県岡谷市災害ボラセン湊サテライトを立ち上げたときは、社協ネットワークのつながりで、宮城県から来てくれた方がいたので、気合が入ったすごい人がいるもんだと感心していたのだが、あのときのネットワークは生かせたのか、あの経験を生かせたかと思うと無念で仕方がない。
自主防災会への教訓としては、災害ボランティアをあてにしすぎていても駄目ということくらいか。福祉・介護系、用援護者支援に係わる活動の報告を期待したが、仕方がない。組織の一員としての役割分担を無視して好き勝手やるわけにはいかないし。
■中島さん
知立市のボランティアバスで現地活動をした経験を報告してくれました。知立市を動かしてボランティアバスを送り出し、自らも現地へ何度も出かけて活動した行動力はすごい。地元自主防災組織でも活動を盛り上げるキーパーソンとして、自主防リーダーと災害ボランティアの両面で活躍されている。今回の報告会で、もっとも開催目的にマッチした講師でした。
地元自主防の活動へどのように教訓を反映したのか、あるいはこれから反映していくのか、もっと時間を割いて追加インタビューをしてみたい。
2011 年 10 月 8 日( 土 )23 時 59 分 |
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カテゴリー:イベント企画運営
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