愛知県立一色高等学校「秋の防災学習」で防災講話をしました。
愛知県立一色高等学校は10月20日、全校生徒を対象とした「秋の防災学習」を実施しました。3年生向けの防災講話の依頼を受け、参加してきました。担当した講話の内容、そのほかのカリキュラム概要について紹介します。
全校生徒が取り組む防災学習は、もうかれこれ5・6年になるそうで、担当の先生方が、自らカリキュラムを考えて運営しています。1年生、2年生、3年生それぞれに学習内容が異なり、在学中の3年間にいろいろなテーマについて学べるようよう配慮されています。
今回のカリキュラムは以下のようです。実際の学習は1時限分の約50分間ですので、たくさんのメニューを詰め込むことは困難です。今回のカリキュラムは、概略以下のとおりです。事前にいただいたスケジュール表の抜粋ですので、多少異なっているかもしれません。
■1年生
防災講話「最近の災害から、防災・減災を考える」
防災・減災お役立ちガイド ~個人や家庭でできる災害への備えについて~
(あいち防災キャラバン隊)
■2年生1~4組
煙体験、初期消火訓練(本物の消火器で2名、水消火器で全員が実施)
■2年生5・6組
心肺蘇生法、AEDあり
(西尾市消防本部)
■3年生
2クラスずつ前半・後半で入れ替わり、2項目実施
起震車体験
(西尾市消防本部)
防災講話
(あいち防災リーダー会=私)
私が担当した講話の内容は以下のとおりです。伝えたいことはたくさんあっても、思いのたけを話すほどの時間がありません。25分で話すのはかなりしんどいです。
1.東日本大震災の津波映像
・仙台市名取川河口左岸のあたり(2分30秒)
・名取市閖上中学校(1分20秒)
一色高等学校のある西尾市一色町と比較的似た地形、学校の校舎から撮影されたものという観点から選定した。津波の恐ろしさを再確認してもらい、この被災地とよく似た一色町を津波が襲ったら…という想像をしてもらうためのインプットとした。
2.東日本大震災のまとめ
中央防災会議の資料を紹介
3.愛知県の被害予想
東海・東南海地震の被害予想(愛知県)
震度、津波の高さと到達時間、液状化危険度
M9.0三連動地震の津波浸水深マップ(名古屋大学 川崎准教授 10/2中日新聞掲載)
4.被災事例写真
防災研修カリキュラム・講師支援教材(総務省消防庁)
地震動(揺れ):家屋・ブロック塀倒壊、土砂崩れ、山塊崩落
液状化
5.被害のイメージ
上記1~4を組み合わせて、一色町が被災した場合の様子を具体的に想像してもらう。
6.津波てんでんこ
生き延びるための厳しい教訓
釜石の奇跡:教えを守った小中学生の事例
7.取り組みの優先度
命を守る(避難・危険回避行動>平常時の備え(耐震・備蓄)>共助(助け合い)
8.高校生の3つの視点
自宅・居住地域、通学途中、学校
通学途中は誰も頼れないサバイバル。同級生の誰とも違う自分だけの行動パターン。
半年後は卒業し、新たな生活環境になる。対策も見直す必要がある。
常に繰り返して「今、地震が起きたら…、津波が襲ってきたら…」を考える。
防災学習が終わったあと、生徒の皆さんはアンケートを記入して提出することになっています。担当の先生には、アンケートのまとめを教えていただけるよう、お願いをしています。果たして当初目的を達したかどうか、生徒の皆さんがどのように受け取ったか、非常に気になります。
やはり地元ということもあり、新たなつながりが見つかりました。以前、同じ町内に住んでいたとか、ご自分の地元の自主防災会の支援もして欲しいとか。動けば動いただけ、新たなつながりが増えます。
一色高等学校での啓発活動は、今回が初めてでした。これをきっかけに、今後もいっしょに、災害に強いまちづくり、災害を生き抜く力を育成する防災教育にかかわっていきたいと思います。
2011 年 10 月 20 日( 木 )23 時 00 分 |
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カテゴリー:講師・インストラクション
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