いよいよ三連動地震の被害予測調査が始まる。-愛知県防災会議

 東日本大震災では、いたるところで「想定外」の大合唱、これまでの取り組みを根底からひっくり返されることとなった。各地でこれまでの防災担当部局による被害想定は大丈夫なのかという声があがり、「想定見直し」に追い込まれた。

 想定東海・東南海・南海地震もこれまでは三連動地震の発生を想定した被害予測はされておらず、政府は「ようやく」動き始めた。愛知県も同様で、先日、調査委員会の設置が決まった。これまで、愛知県防災局が発行している防災啓発パンフレット「防災・減殺お役立ちガイド(地震編)」でも慶長・宝永の三連動地震を紹介しており、自分も各地の防災イベントでさんざん配布・解説してきた。常々、なんで三連動地震の被害予測はしないんだろうと不思議に感じていた。

 これはもう、「あまりにも超絶な被害が想定されることがあきらかだから、その予測内容を知りたくない」という、正常性バイアスの極みではないのか。福島原発の被害予測も同様だった。東電・原発推進派・政府など関係者による「握りつぶし」を「想定外」と言い訳したのと同罪だ。

 どんなに喚こうとも、一般市民には被害予測などかなわないから専門家を頼るしかない。どんなに悲惨な被害予測になろうとも、それを包み隠さず開示するのが専門家の良心だと思う。行政担当部局へ調査結果を報告するだけでなく、専門家自ら、調査結果が次の防災対策へ正しく反映されたか(握りつぶされていないか)評価をし、世に公開して欲しい。

 日々の防災啓発の現場では、三連動地震の被害予測や津波被害の見直しの作業状況が、関心の的になっている。いつごろ新しい予測値がまとまるのか、それを反映した防災対策はいつごろ出てくるのか…。どこへ行っても尋ねられる。

 自分も一般市民の一人だし、専門家のコネがあるわけではないから、特別の情報ルートを持っているわけではない。防災行政の動向をプレスリリース等で追いかけながら、公開された資料などを調べるしかない。啓発活動を通じて、市民の切実な思い・不安・要望を当局へ伝えることはできる。そういった働きかけが、行政にプレッシャーをかけることにもつながる。ささやかではあるが。

 9月15日に開催された愛知県防災会議で、「愛知県東海地震・東南海地震・南海地震等被害予測調査委員会」の設置が決定され、早速活動を開始することとなった。当日の会議で了承された「被害予測調査基本フレーム」によると、調査期間は平成23年度から平成25年度までの3年間だそうだ。なんとも気の長い話だ。途中で中間報告はあるのだろうか。「いつ来てもおかしくない」と、さんざんいいながら、こののんびりペースはいったい何なんだ。

 調査項目はたくさんあるようだから、まとまったところから部分的にでもよいから公開し、対策へ反映して欲しい。市町村の総合計画における10年間の基本計画と各年度にローリング方式で見直す3年間の実施計画との関係に当てはめれば、「あいち地震対策アクションプラン」という基本計画に、平成23年度からの3年間で実施する実施計画の1項目として「三連動地震の被害予測調査」を実施するということになろうか。

西尾市寺津小校区防災委員会訓練の打ち合わせ2

 8月14日の記事「西尾市寺津小校区防災委員会訓練の打ち合わせ」で紹介したとおり、西尾市寺津小校区防災委員会が11月20日に訓練を実施します。明日16日に打ち合わせをするそうで、依頼されている講話の内容について資料にまとめて欲しい旨、連絡がありました。 概要は、上記の記事で書いたとおりですので、今から考えることはありませんが、当日の説明に使用する資料や映像は、これから選定するので、ちょっとあいまいなところもあります(種明かしはしません)。

 東日本大震災の津波被害をどのように伝え、自分たちの備えに反映してもらうかが鍵となります。個人的には、これまでの啓発は、津波被害や津波対策をあまりしっかりやれていなかったこともあり、今年の最重要テーマと位置づけています。

 愛知県は「あいち防災通信第7号」で周知しているとおり、東海・東南海・南海地震三連動発生を想定した被害予測調査に乗り出しました。今日15日はその被害予測調査検討委員会(仮称)が設置される予定です。これらの成果として新たな被害予測がなされ、対策の見直しも必要になってくるだろうと思います。

 これらの動向も整理して、寺津小校区のみでなく、沿岸部各地区の啓発に展開したいと考えています。

防災の日特集-9月2日の中日新聞朝刊から

 9月1日に続き2日の紙面でも防災特集が組まれた。6,7ページの見開きいっぱいに掲載された「中央日本交流・連携サミット」の記事は目に付いた。

 8月29日に開催された「第八回中央日本交流・連携サミット」のパネルディスカッションを紙面で再現したような記事だ。毎年この時期に年に1度開催されているようで、テーマは毎年異なる。今年は、やはりというべきか、「自然災害に対する備えと安全・安心な地域づくり」がテーマとなった。

 紙面の開催概要説明によると、上記テーマで、
「地域と国、経済界が取り組むべき課題や将来像について議論した。東日本大震災で津波、原発事故の深刻な被害に見舞われた教訓をどう生かすのか。広域連携だけでなく、離れた地域との連携の重要性も浮かび上がった。」
とある。

 要約はこのようになっているが、参加したパネリストの発言からは、このような議論が活発になされたとは感じられない。静岡県・愛知県・長野県・岐阜県・三重県・名古屋市・中部経済連合会の、各々の現状・課題・東日本大震災の対応と対策への反映状況の紹介にとどまり、中央日本の県・市・経済団体がどのように連携していくのかといった具体案や検討事例はなかった。

 東海・東南海地震が発生したら、長野はどのように支援するのか。信濃川断層帯・伊那谷断層帯・糸魚川-静岡構造線が動いたら、豪雪や土砂災害が発生したら、静岡・愛知・岐阜・三重はどのように支援するのか。そのような具体的な話題は、紙面にはまったく出てこなかった。もっとも、新聞紙面上で紹介されていなくても、議論はなされているのかもしれない。だとすれば、「交流・連携サミット」の名のとおり、「連携」の部分をきっちり紹介してもらいたい。紙面の内容からは「交流サミット」と言うほうがふさわしい。

 連携状況は、各々の地域防災計画を調べればわかるかもしれないが、こういった役立つ情報を掲載するのが新聞の役割ではないのか?

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