M9.0「3連動」津波…、-10月2日の中日新聞から

 名古屋大学大学院の川崎准教授の研究結果が掲載されました。まずは、この時期に誰もが考えたくないM9.0の想定でシミュレーションを実施して公開したことに敬意を表したいと思います。

 中央防災会議の専門調査会でさえ、「対策できない想定、被害予想は無視」して「減災」などと言い訳をしている情けない状況で、批判を恐れず公開に踏み切るのは、勇気がいることだったろうと思います。

 地元の自主防災会向けの啓発では、これまでは、素人判断なので…と前置きしながら、東日本大震災の津波被害と比べて、3連動地震の被害を漠然とイメージしていました。仙台市南部から名取市、岩沼市、亘理町にかけての広大な平地を内陸4~5kmまで津波が押し寄せたことを引き合いに出して、もし、同じような津波が来たとしたら海岸から内陸へ4~5kmの範囲はここらあたりまでだから、あなたの地域は水没…といった調子です。

 まったく根拠のない条件設定ですが、イメージを持ってもらうためには、乱暴であったとしても過大評価をした被害想定をして、備えを促す必要があると思ってやっていました。早く専門家の予想が出て、それを基にした話をすれば、もっと説得力が増すのに…と、今か今かと待ちわびていました。

 中日新聞に掲載された色分け地図によると、私が住んでいる西三河南部は、オレンジ色で、最大浸水深5~6mと絶望的な結果が出ています。「やっぱりねぇ」というのが第一印象で、はっきりと引導を渡された気がしました。

 上記のような根拠のない素人の話よりも、説得力のある啓発ができると思い、ほっとしました。自分が住む地域の悲惨な予想を突きつけられて喜ぶのも変な話ですが、半年のモヤモヤが取れてすっきりしたのは事実です。

 残念ながら、色分け地図はこまか過ぎて、また、道路や鉄道、官公署などが記載されていないので、自分の町内は…といったレベルの判断は困難です。大雑把な判断をするために、地図サイトの画像キャプチャを透過表示させて重ねてみました。

 この予想結果では、西尾市南部は壊滅的で、矢作古川の両岸に広がる低地にある西尾市役所、警察署、消防署、保健所、名鉄西尾駅あたりの中心街は浸水深2~3mとなっており、行政機能は失われることが想像できます。

 この結果を見て覚悟を決め、自主防災活動に火がつくことを期待したいと思います。というか火をつけて回ります。備えたものだけが救われる。この地に「津波てんでんこ」を真剣に普及させねば。

西尾市法光寺町自主防災会訓練打ち合わせ

 西尾市法光寺町自主防災会の防災総括担当の方と、防災訓練の打ち合わせをしました。市役所防災課に相談したら紹介してくれたとのこと。ありがたいことです。少しは評価され当てにされているということでしょうか。

 法光寺町自主防災会は毎年の防災訓練で、項目のひとつとして防災ビデオの視聴をしているそうですが、今年はビデオに替えて防災講話をしたいとのこと。講話は「自助・共助・公助の観点で、1時間くらいで…」という要望のみで、詳細な内容はお任せ。

 法光寺町は「隣町」です。2009年に実施された訓練を視察させていただいたこともあり、これまでにどんな活動をしてきたかも大体わかっています。正直なところ、西野町小校区自主防災会連絡協議会に所属する13の自主防災会のうち、もっとも熱心でレベルの高いところのひとつです。温度差のある校区の中で、お手本として活動状況を他の自主防災会へ展開したいところです。

 その法光寺町自主防災会が、今になって「自助・共助・公助」の話を取り上げるとは、ちょっと意外でした。すでに十分理解されていて、基礎知識は卒業済みと思っていました。ところが、打ち合わせで内情を教えていただいたところ、「町民すべてが100点満点ではない」とのことで、町民の中でも温度差があり、底上げをしていく必要があるとのことでした。

 講話のテーマは「自助・共助・公助」としていますが、これまで自主防災会の活動をしっかりやってきた方々ですので、基礎的な区分の定義や具体的な事例を挙げるだけでは物足りないでしょうから、あまり言われない区分の考え方や、これまでの自主防災会の活動を「自助/共助」の切り口で捕らえなおしたときに、新たな視点が生まれることをお話して、活動の見直しを促すような内容にしたいと考えています。啓発する側にとっては、ハードルの高い講話になりそうです。

 防災総括担当は3年任期でやるそうで、中長期的な展望として活動の進め方を見直していきたいとの思いがあり、今回の訓練でビデオを講話に替えるのもその一環とのことのようです。「初心者でわからないことだらけだから…」と謙遜さされていましたが、一生懸命町内のことを考えている彼の思いに答えていきたいなと思いました。

 西尾市では、自主防災会役員の任期が1年というところが多く、中長期的な計画で活動をレベルアップしていこうという視点に欠けるところが多い中、役員任期を延ばしてじっくり取り組んでもらおうおというところが増えてきたのは、大変うれしい傾向です。残りの任期はあと2年半、それぞれの自主防で切磋琢磨しながら、校区の自主防災会連絡協議会では仲間として協力していきたいと思います。私の任期はあと何年なんだかよくわかりませんが…。

新聞総めくり-2011年8月分

 各地の自主防災組織の活動事例を収集して、地元活動の参考にしようといろいろな情報源を漁っています。その中から新聞紙面に掲載された事例について備忘録としてまとめています。

・対象となる新聞は地元で配達されるものをベースとしています。地域ページ(県内版とか三河版、尾張版など)の内容は、ほかの地域と異なっている場合があります。
・ピックアップする記事は、独断と偏見によるもので、すべてを網羅しているわけではありません。
・防災対策や啓発に役立つ情報や被災地の状況を報告する記事あっても、自主防災組織の活動でないものは、割愛しています。
・記事の詳細内容は、紙面を参照下さい。

調査対象紙:
中日新聞、朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、三河新報、愛三時報

○西尾市徳次町自主防災会
7月31日
徳次町公民館、白山神社
心肺蘇生法、三角巾、消火器取り扱い、炊き出し(カレーライス)
(愛三時報)

○三重県熊野市
8月31日
熊野灘沿岸地域
700人
開始時刻を知らせないブラインド訓練、10分以内に5mの津波が来るという想定で避難訓練
(朝日新聞)

 自主防災会の訓練は、あまり取り上げられないことが多いようです。いつでもどこでも誰でもやってるから、ニュース性が低いということでしょうか。目新しい訓練内容でもなければ取り上げる価値がないか、取材に出かけるのが面倒なのか…。

 地元情報ということなら、断然ローカル紙に軍配が上がりますが、他の地域の情報なら全国紙でないと手が出ないし…。もう少し様子を見ながら調査対象紙を選択したいと思います。

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