調査

台風過に耐えた集落の絆の力-9月19日中日新聞から

 表題の記事が読者欄に掲載された。台風12号で被災した和歌山県日高川町のコミュニティの絆や自助・共助の努力を称賛し、省みて、自分たちのコミュニティの希薄さを自省する投稿だ。

 9月18日の記事「実際に即した訓練を望む-9月15日中日新聞から」で紹介した苦言を呈する読者投稿に対して、こちらは自省を促す投稿だ。単なる偶然か、編集者の計らいなのかわからないが、先の記事に対する付け句かアンサーソングのようでもある。いずれも東海豪雨で被災した地域の方で、今日も台風15号の大雨で名古屋市が避難勧告を出した地域なのは大変興味深い。

 東海豪雨のとき、河川管理担当や防災担当を相手取って裁判沙汰になった記憶があるが、果たして、自分たちの行動や備えに不備はなかったか。自分たちのことは棚に上げて、行政に責任を押し付けていなかったか。伊勢湾台風の教訓は何だったのか。今になって、このような新聞投稿で暴露されている。これらの投稿をした方や地域に住む方々は、今日の台風15号の大雨の中でどんなことを考えていただろう。再度、考えを聞いてみたい。

 毒づいていても、災害ボランティアとして出動する用意をしている自分に気づく。台風が通り過ぎた後の22日・23日は運よくか勤務先が輪番休日。さて、どこへ復旧支援に出かけるか、あるいは市内の自主防災会の訓練支援に出かけるか、ぎりぎりまで状況判断と優先順位との葛藤が続く。

いよいよ三連動地震の被害予測調査が始まる。-愛知県防災会議

 東日本大震災では、いたるところで「想定外」の大合唱、これまでの取り組みを根底からひっくり返されることとなった。各地でこれまでの防災担当部局による被害想定は大丈夫なのかという声があがり、「想定見直し」に追い込まれた。

 想定東海・東南海・南海地震もこれまでは三連動地震の発生を想定した被害予測はされておらず、政府は「ようやく」動き始めた。愛知県も同様で、先日、調査委員会の設置が決まった。これまで、愛知県防災局が発行している防災啓発パンフレット「防災・減殺お役立ちガイド(地震編)」でも慶長・宝永の三連動地震を紹介しており、自分も各地の防災イベントでさんざん配布・解説してきた。常々、なんで三連動地震の被害予測はしないんだろうと不思議に感じていた。

 これはもう、「あまりにも超絶な被害が想定されることがあきらかだから、その予測内容を知りたくない」という、正常性バイアスの極みではないのか。福島原発の被害予測も同様だった。東電・原発推進派・政府など関係者による「握りつぶし」を「想定外」と言い訳したのと同罪だ。

 どんなに喚こうとも、一般市民には被害予測などかなわないから専門家を頼るしかない。どんなに悲惨な被害予測になろうとも、それを包み隠さず開示するのが専門家の良心だと思う。行政担当部局へ調査結果を報告するだけでなく、専門家自ら、調査結果が次の防災対策へ正しく反映されたか(握りつぶされていないか)評価をし、世に公開して欲しい。

 日々の防災啓発の現場では、三連動地震の被害予測や津波被害の見直しの作業状況が、関心の的になっている。いつごろ新しい予測値がまとまるのか、それを反映した防災対策はいつごろ出てくるのか…。どこへ行っても尋ねられる。

 自分も一般市民の一人だし、専門家のコネがあるわけではないから、特別の情報ルートを持っているわけではない。防災行政の動向をプレスリリース等で追いかけながら、公開された資料などを調べるしかない。啓発活動を通じて、市民の切実な思い・不安・要望を当局へ伝えることはできる。そういった働きかけが、行政にプレッシャーをかけることにもつながる。ささやかではあるが。

 9月15日に開催された愛知県防災会議で、「愛知県東海地震・東南海地震・南海地震等被害予測調査委員会」の設置が決定され、早速活動を開始することとなった。当日の会議で了承された「被害予測調査基本フレーム」によると、調査期間は平成23年度から平成25年度までの3年間だそうだ。なんとも気の長い話だ。途中で中間報告はあるのだろうか。「いつ来てもおかしくない」と、さんざんいいながら、こののんびりペースはいったい何なんだ。

 調査項目はたくさんあるようだから、まとまったところから部分的にでもよいから公開し、対策へ反映して欲しい。市町村の総合計画における10年間の基本計画と各年度にローリング方式で見直す3年間の実施計画との関係に当てはめれば、「あいち地震対策アクションプラン」という基本計画に、平成23年度からの3年間で実施する実施計画の1項目として「三連動地震の被害予測調査」を実施するということになろうか。

実際に即した防災訓練望む-9月15日中日新聞から

 表題の記事が読者欄に掲載されました。自主防災会の訓練のあり方について考えさせられる内容でした。

 投稿者は伊勢湾台風を(おそらく東海豪雨も)経験した方で、9月4日に開催される予定だった居住地域の学区の防災訓練が中止になったことや、訓練のあり方にご不満があるようです。

 極々簡単にまとめると主旨は、
1)当日は台風12号の影響で暴風雨警報が発令されていた。リアルな訓練ができるのに何故中止にしたのか?
2)天気のよい日に机上の討議をし、頼まれた役だけをこなしていは、何の訓練にもならない。

 文面だけでは状況がわからないので、指摘されていることが正しいかどうかわからない。想像しながら考えてみた。

1)中止は正しいと思う。
 訓練ではなく本番対応をすべきだと思う。風雨に対する備え、浸水や停電をしたときの備え、避難の準備、対策本部の立ち上げや対応のための体制整備…、風雨が強くなる直前にやるべきことはたくさんある。
 文面からは開催予定だった訓練の内容がわからないが、風雨の強い状況ではできない内容だったということはないか?まさか、台風が来て臨戦態勢を整えなければならないときに、地震の訓練をやっているわけにも行かないだろうし。2)の状況から、普段の訓練はまともにできていない様子が伺える。このような状況で、実戦環境での訓練などできるわけがない。

2)訓練は、簡単なことから積み上げる必要がある。
 机上の討議だけではだめだという考え方は賛同できる。しかし、学区の皆さん全員が意識を変えることからはじめなければ。お役が回ってきたから…、お付き合いで…、年中行事の一つと割り切って…、などと考えているうちは、レベルアップもリアルな想定・環境での訓練も無理。少しずつレベルアップをしていくしかない。住民の意識やスキルはまちまちだから、学区の平均レベルを考えて全体的に底上げしていくような取り組みが必要。たかだか数年で変わるものではない。

 偉そうにコメントしていても、我が地元も似たり寄ったり。他人の振り見て我が振り直せ。10月は応急手当講習会(5回シリーズ)だ。

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